天神学園の問題児再来
と。

「その誓い」

2人の会話に、1人の男が割って入った。

金髪、長身、切れ長の眼の男…鴉丸 禿鷲。

「僕にも一枚噛ませてもらえないか?」

「何」

真太郎が禿鷲を睨む。

「僕がタイマントーナメントに出場し、並み居る一味の者達を倒して優勝する事が出来れば、僕が一味のリーダーとなる」

「何を言うとるがじゃ!お前は一味の者じゃなかろうが!」

激昂する龍馬。

「ああ、確かに。全くの無関係だ」

「禿鷲、貴様は…」

真太郎が睨む。

「俺達一味を乗っ取るつもりなのか?」

「とんでもない」

薄笑みすら浮かべ、首を緩々と横に振る禿鷲。

「だが、後世に語り継がれる事になる一味を率いるリーダーとなる…天神学園にいるならば、誰もが憧れる事とは思わないか?」

「……」

無言で禿鷲を睨む真太郎と龍馬。

やがて。

「よかろう」

真太郎は頷いた。

「この夕城 真太郎の責任において、貴様の参戦を許す。しかし」

彼は狂奏丸を抜刀し、その切っ先を禿鷲に突きつける!

「全力で潰しにかかる。覚悟しておけ」

「……」

不敵な笑いと共に踵を返す禿鷲。

その時に靡いた襟足から覗く首筋に。

「!!」

はっきりと残る犬歯の食い込んだ咬み痕を、龍馬と真太郎は見逃さなかった。

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