天神学園の問題児再来
それから一週間。

文化祭終了後の天神学園に、一味の者達は登校してこなかった。

タイマントーナメント開催まで時間がない。

修行に、鍛錬に、修練に、特訓に。

他の事に費やしている時間などないのだ。

「兄上達の来ない学園なんてつまんないねー」

シャンリーが頬を膨らませる。

「花龍達堂々とサボりやがってよ、俺もって言ったら、『麗龍はきちんと学校行かなきゃ駄目』って言うんだぜ?ずるいよな」

麗龍も不満顔。

「にゃははっ、2人はタイマントーナメント出ないんだから、勉強が一番だねっ」

担任の龍乃がケラケラ笑う。

…教室の窓から見えるグラウンドでは、タイマントーナメントで使用される特設リングの設営が急ピッチで進められている。

その傍らには、鬼龍の姿。

「全く、こうも堂々と学業を疎かにされては、教師としては黙っている訳にはいかないアルが…」

その一方で思い出す。

友に、想い人に、実力で勝利する為に拳を磨き続けていた若かりし頃の事を。

鬼龍とて、決して今の一味の事を咎める事は出来ない。

「ま」

彼女は校舎の方へと歩いて行く。

「今回は大目に見てやるアル」

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