天神学園の問題児再来
その時だった。

「っ…妾も!」

アイスブルーの髪を靡かせて、1人の少女が声を上げた。

「妾も参加するのじゃ!」

それは、予想外の参加者だった。

中等部3年、小岩井 紗雪。

今大会唯一の、中等部からの参加者。

「おい紗雪」

龍鷺郎が止める。

「何言ってやがる。お前にゃ無理だ。やめておけ」

「う、うるさい龍鷺郎っ」

紗雪は強い眼差しで龍鷺郎を見る。

「文化祭の舞台の時に思ったのじゃ。妾は守られるだけのか弱い女は嫌なのじゃ。妾は、妾は…」

紗雪はもう一度、龍鷺郎を見る。

「共に立ち、共に戦う強い女でありたい」

あのおっとりとした小岩井 防人、ほっこりした雪菜の子とは思えぬ勝気な台詞。

いや、雪菜も嘗てはタイマントーナメントに出場した経験もある、芯の強い一面を持ち合わせている。

紗雪が同じ道を歩んだとしても、不思議ではないか。

「…跳ねっ返りめ…うんざりだぜ」

言いつつも、学帽を目深に被り直し、紗雪の言い分を了承する龍鷺郎。

これで8人が揃った。

この世代の最強を競う、運命の8人が。

「よし、ならば」

今回のタイマントーナメント審判を務める、鬼龍が言う。

「これより組み合わせ抽選を行う」

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