天神学園の問題児再来
そんなIfが、今現実になる。

天神学園グラウンド特設リング。

何百とも何千ともつかない観客の前に立っているのは、愛剣ランスロットを携えるシオンと、愛銃マテバ、アルトゥルスをホルスターに収めた花龍。

共闘する事はあっても、この2人が対峙する事はないと思っていた。

そう、この学園の誰もが。

「お前達が試合する事になるとは…何とも数奇な巡り合わせアル」

リング上、審判として立つ鬼龍が複雑な表情をする。

「それを言うなら」

花龍が柔らかく微笑んだ。

「父や母の親友だった鬼龍先生が、私達の試合の審判をする方が、余程数奇な巡り合わせです」

「ふ…そうかもアルな」

そう言われて肩の力が抜け、気付く。

柄にもなく、初のタイマントーナメント審判を務める事で、鬼龍も緊張していたのだと。

そして思い出す。

兄・霸龍闘は妹を気遣い、親友リィはいつも優しく声をかけてくれた。

そして花龍は、やはりその2人の娘だと。

「それでは、よいアルか」

鬼龍が掲げた手を。

「タイマントーナメント1回戦第1試合」

振り下ろす!

「はじめっ!」

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