天神学園の問題児再来

精霊憑依。

精霊の力を自らの肉体に宿し、身体能力を強化する。

シオンの父であるシンが編み出した技法である。

精神力や魔力が十分に鍛えられていなければ、長時間の使用は難しい。

強力ではあるが、その消耗を狙ってわざと誘うという戦術もあった。

「フラウ、よろしくね」

氷の障壁を担う氷の精霊フラウに声をかけ、花龍は動き出す！

「こちとら魔力は無限じゃないんだ」

シオンもまた、花龍の後を追う！

「時間かけてられねぇよ！」

精霊憑依で身体能力が上がっている分、スピードはシオンの方が上だ。

容易く花龍を捉え、ランスロットを横薙ぎにするが。

「くっ！」

花龍の脇腹を捉えた筈の刃は、瞬時に形成された氷の障壁で受け止められる。

炎の力を付加したランスロットでも、刃は花龍の体に届かない！