天神学園の問題児再来
凄まじい震動が、リングは勿論観客席にも伝わってくる!

あんな巨大な氷塊をまともに食らえば、圧死は免れない。

だから当然。

「くぅっ…!」

シオンはまた行使せざるを得ない。

精霊憑依でサラマンダーの力を宿す。

魔力を激しく消耗するのが分かっていながら、その炎と熱で氷塊を溶かすしかない。

花龍の狙いはそれ。

魔力消耗によるダウン。

こうすれば、無闇に傷つける事なくシオンを倒せる。

心優しき花龍の、それゆえの残酷な選択。

シオンは己の修行不足を悔やみながら、マットに倒れる事になるのだと。

花龍はそう思い込んでいた。

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