天神学園の問題児再来
ゴゥッ!という嵐の突風のような音。

人間など容易く、建物さえ一吹きで粉微塵にするような突風が、吹き抜けたと思った。

事実花龍は吹き飛ばされ、リング下に落ちて尻餅をつく。

リングの床には、大きく削り取ったような跡。

プスプスと燻り、煙が上がっている。

…疑似精霊は、跡形もなかった。

恐らく四散し、この世界に形を保っていられなくなったのだろう。

無理もない。

疑似精霊よりも圧倒的に大きな精霊の力によって、押し流されてしまったのだから。

そしてシオンは。

「ほ、ほら…花龍…」

リング上から花龍に手を差し伸べる。

とても手を借りる気にはなれなかった。

だって勝った彼の方が、遥かに疲労困憊していたから。

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