天神学園の問題児再来
開始の声がかかっても、両者は動かない。

ハンドポケットの龍鷺郎、棒立ちの禿鷲。

神妙に睨む龍鷺郎に対し、禿鷲は微笑さえ浮かべる。

「どうにも外野が煩いな。そうは思わないか龍鷺郎」

金髪を掻き上げながら、禿鷲は呟いた。

「1つ訊きたい」

禿鷲の言葉には耳も貸さず、龍鷺郎は言う。

「テメェの首筋に咬み痕がある。そいつは何だ」

「咬み痕?」

「惚けるんじゃあねぇぜ」

ポケットから手を出し、龍鷺郎は禿鷲を指差した。

「その咬み痕…吸血鬼に咬まれたんじゃあないかと訊いてるんだ。龍馬達にチョッカイ出している、黒爪とかいう小悪党にな」

「黒爪を悪く言うんじゃない」

龍鷺郎の言葉に、禿鷲は気分を害したようだった。

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