天神学園の問題児再来
そんな様子を見ながらも、真太郎の母である鬼龍は表情1つ崩さない。

あくまで中立、あくまでニュートラルに。

「それでは…はじめっ!」

これまでの試合と同様に、審判を務める。

開始の声がかかり、抜刀する2人の剣客。

真太郎は狂奏丸、そして龍馬は龍之介の作刀、『傑作・龍太刀』。

…今見ても見惚れる。

まさしく銘刀だ。

龍馬の佇まいが、貫禄を感じさせる。

威風堂々というべきか。

これが、修行1年足らずの剣客の姿か。

正眼に構えた真太郎が、攻めあぐむ。

剣客としては、彼の方が遥かに年月を刻んでいる筈なのに。

「こっちから行ってええがか?」

龍馬が言う。

その刀を、構える。

大きく振り上げるような構え。

真太郎も天神学園に来てから、何度も見た。

これは。

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