天神学園の問題児再来
「っっ…っっっっ…!」

傷を庇ったまま、真太郎の汗と流血が止まらない。

同じ傷を3度も穿たれたのだ。

その激痛たるや、想像を絶する。

並の精神力ならば、もう動けまい。

本来ならば一気に貫いて絶命させる三段突き。

しかし、龍馬が殺すまで威力を発揮させない事が、逆に真太郎に苦痛を味わわせていた。

「降参するか、真太郎」

龍馬が問い掛ける。

愚問と知りつつも。

「い…」

顎先から汗を滴らせつつも。

「否!」

真太郎は断言する。

やるべき事がある。

このタイマントーナメントで、果たさなければならない事がある。

それまで、降参などという言葉は吐けない。

いや、夕城の跡継ぎとなるのならば、一生その言葉は吐いてはならない。

「…そうじゃったな…失言じゃった」

一言詫びて。

「……」

龍馬は再び刺突の構えをとった。

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