天神学園の問題児再来
どうする?

真太郎は考える。

蜻蛉の構えのように、前に出れば防げる技ではない。

前に出れば己の突進力も上乗せされ、今度は切っ先が貫通してしまうかもしれない。

貫かれれば、本当に絶命も有り得る。

三段の突きというのも始末に負えない。

一撃目ならば受け太刀も出来よう。

しかし、残り二撃の刺突は防げない。

結果として食らってしまう。

食らって耐えられるのは、せいぜい一撃のみ。

二撃の刺突を防げれば、勝機はあるのだが。

もう一刀…もう一刀使って二刀流ならば…。

「……」

真太郎の視線が、僅かに腰のもう一刀を見る。

抜けるか?

以前試した時は、あれ程までに真太郎を拒絶した祖父の愛刀。

真太郎を夕城剣士としてすら認めなかった四季・色彩銘刀夏の刀。

今この時において、真太郎を認めてくれるのか?

< 752 / 1,120 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop