天神学園の問題児再来
無論それは、ヴラドのような吸血鬼も含まれる。

黒爪のように、端から他者に攻撃的な吸血鬼は別だが。

「同盟…人外同士の同盟か…成程」

笑みを浮かべ、ヴラドは俯く。

嘲笑ではない。

穏やかな、彼にしては珍しいような笑み。

…気付いているだろうか。

リングサイドから観戦している花龍もまた、同じ笑みを浮かべていた事に。

彼女には、いや、彼女だけが、理解していた。

ヴラドは嬉しいのだ。

同じとは言わないが、近しい理想郷を夢見る者がいた事が。

しかもそれが、同じ人外であった事が。

ヴラドは嬉しかったのだ。

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