天神学園の問題児再来
「書き換え完了」

ヴラドの眼に、光が宿る。

「発動」

呟いた瞬間。

「!?」

氷壁に突き刺さり、完全に止まった筈のカスール弾が、回転を始めた。

運動エネルギーを失った筈の弾丸が、勝手に再び動き始める。

常識では有り得ない事だ。

止まったものが、何の接触もなく動き出す。

本来では有り得ない事。

だが。

「常識では有り得ない事…本来では有り得ない事。それを有り得る事にし、可能にする」

ヴラドが笑った。

「それが呪いだ」

白手袋を付けたままの、指を鳴らす。

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