天神学園の問題児再来
その瞬間だった。

「きゃあっ!」

紗雪の目の前で氷壁は爆砕する!

たった1発の弾丸で、粉々にまで砕け散る分厚い氷壁。

その破片が飛び散る中で。

「つっ!」

紗雪は頬に鋭い痛みを感じた。

手で触れれば、指先には、血。

飛翔したカスール弾が、紗雪の頬を掠めていったのだ。

呪いの術式を書き換えた為、『狙ったものにしか命中しない』という効果が現れなかった。

または、ヴラドは『紗雪を狙ってはいなかった』から、命中とまではいかなかったのか。

とにかく。

「俺はこの力で、王を目指す」

ヴラドは言った。

「邪魔をするなら女子供でも容赦はしない」

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