天神学園の問題児再来
「失礼しま…」

シオンの控室のドアを開けようとして。

「っあ…!」

慌てて離れるシオンとリプニーの姿を見てしまった花龍。

「…お邪魔だった?」

「いえっ、いえっ!」

中へどうぞと(やや頬を赤らめて)勧めるリプニー。

「…試合前なのに…シオンったら」

「な、何で俺なんだよ」

ジト目で見る花龍、まぁそうだけど…と小さく呟くシオン。

気を取り直して。

「体調はどう?」

花龍がシオンに訊ねる。

疑似精霊の総攻撃は、そう軽いものではなかった筈だ。

「ん、簡易的にシルフに回復してもらった」

「自分の魔力で?」

「うん」

魔力を消耗しているのだから、花龍に一声かけてくれれば、彼女が治療したのだが。

「いいよ。龍鷺郎だって完全には回復してないだろ、あの傷」

1回戦で龍鷺郎が受けた背中の傷を思い出しながら、シオンは言う。

「俺だけ完全回復してもらっちゃあ、後味悪い」

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