天神学園の問題児再来
リプニー、花龍を伴って、控室からリングまでの道を歩く。

シオンが姿を現すと、湧き上がる大歓声。

『勇者の血族』グリフィノーは、いまやこちらの世界でも大人気だ。

故郷ミルトゥワにも勝るとも劣らない。

タイマントーナメントでは、毎回のように優勝争いに食い込んできたのだ。

知名度も高かろう。

そして今試合は、対戦相手の件もあって注目度が高い。

臥龍の息子、鴉丸 龍鷺郎。

いわばリアル勇者対リアルドラゴン。

ファンタジーの世界でしか見られない戦いが、タイマントーナメントのリングで見られるのだ。

「ゲームのやり過ぎだっての、みんな。なぁ?」

リングに上がり、龍鷺郎に語り掛けるシオン。

「全くだ…うんざりだぜ」

学帽を目深に被り、溜息をつく龍鷺郎。

相変わらずのハンドポケット。

試合に対する態度がなってないのは、全く改善されない。

これが彼のスタイルなのだろう。

とやかく言わない事にする。

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