天神学園の問題児再来
シオンも無論受けて立った。

根競べなのは、お互いとうの昔に理解している。

何度もリング上から消え、交錯しては姿を見せる。

その繰り返し。

どちらが先に、音を上げるかの勝負。

激しい打ち合いを演じ、姿を現す龍鷺郎。

しかし。

「何…?」

龍鷺郎は目を疑った。

シオンがいない。

自分だけが、時凍えの発動を終了してしまっている。

その頭上から。

「だりゃあぁぁあぁあぁっ!」

一刀に戻したランスロットでの、シオンの振り下ろし!

斬撃は、龍鷺郎の胸板を斬る!

咄嗟に龍鱗で受けたものの、その打撃力は殺し切れず。

龍鷺郎はガクリと膝をついた。

「…風の精霊憑依には、生憎と5秒なんて時間制限はないからな…」

魔力が続く限り、発動していられる。

その差が、この一撃を生んだのだ。

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