天神学園の問題児再来
地鳴りのような歓声が響く。

遂に決勝戦開始。

この場に勝ち残ったのは、グリフィノーと夕城。

瑠璃一味の時代以来のカードだ。

あの時は、シンと瑠璃が決勝を戦い、史上初の同時優勝という形で幕を閉じた。

それ以前にはシオンと真太郎の祖父、フェイレイと翡翠が準決勝を戦い、これは翡翠が勝利している。

両流派、1勝1引き分けという戦績。

が、それはそれだ。

流派の威信、過去の戦績もあろう。

だが今回は、真太郎とシオンという、一個人としての勝負。

そして。

「聞いているかシオン」

真太郎は言う。

「この試合に勝った者が、一味の看板を背負う」

「ああ」

シオンは頷いた。

「いい戦いをしよう」

スラリと抜いた、ランスロットと川蝉。

その切っ先を、軽く合わせる。

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