天神学園の問題児再来
二刀の打ち合いでも差は現れず。

いや。

「っく…はぁっ…はぁっ…」

そんな筈はなかった。

シオンの魔力量を考えれば、こんな激しい打ち合いは体力の消耗に繋がる。

明らかに呼吸が乱れている。

「疲労困憊だな、シオン」

手を休め、余裕を窺わせる真太郎。

余裕?

そう見えるか。

彼の黒の学ランの下、その傷口から、血が流れ落ちているとしても。

1回戦の龍馬、準決勝のヴラド。

彼らが与えた傷は、共に浅くはない。

この短時間で治癒できる筈がない。

結論、一撃も命中していないものの、両者はダメージを受けていた。

消耗と、傷が開くというダメージ。

立っているだけで、共に苦痛なのだ。

それでも。

「二刀は性に合わない」

シオンはランスロットを一刀に戻す。

「俺はこの状態で勝負だ!」

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