天神学園の問題児再来
これが一刀か?

そう思うほどの連撃だった。

川蝉と狂奏丸で防ぐのがやっとの、嵐のような攻め。

額に汗を浮かべながら、シオンの攻撃は止まらない。

疲労困憊の筈なのに。

消耗している筈なのに。

「聞いた事ないか?」

シオンは手を止めずに告げる。

「勇者の剣は、守る為の剣なんだ」

その双肩に、背中に、守るべき人達の命を背負っている。

本当に守りたい人達が危機に瀕した時、疲労困憊だから、消耗しているから、そんな理由で負けられるものか。

己の身を盾にして、守りたい人を…。

「……」

チラリと、リングサイドのリプニーを見るシオン。

「絶対に守りたい人を、この剣で守るんだ!」

ランスロットの横薙ぎが、狂奏丸を弾く!

「つぅっ!」

龍馬の傑作・龍太刀を受け太刀した時でさえ感じなかった、痺れるほどの剛撃!

その拍子に、左手から狂奏丸がリング外まで飛ばされる!

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