天神学園の問題児再来
「っ…!」

凄まじい覇気。

グランド・ランスロットのオーラに包まれたシオンの髪が、その覇気で掻き乱された。

精霊の力にさえ干渉するほどの闘気。

これが夕城流最大の奥義か。

「無論」

真太郎は呼吸を整える。

「この奥義に、斬鉄を仕込む。正真正銘、出し惜しみ無し。一切合切何もかも、シオン、貴様に叩き付ける」

「……」

震えが来た。

ここまで圧倒的有利に立ちながら、シオンは恐怖に震えた。

気付いたからだ。

『圧倒的有利ではなかった』と。

真太郎を奥義が打てる状態にしておいた。

それが、ここまで追い詰められた原因。

シオンはまだ、守る剣の担い手としては未熟だったのだ。

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