天神学園の問題児再来
…目を開ける。

空が見えた。

朦朧とする意識の中で、体は痛み、歓声さえ遠く聞こえる。

倒れていると分かったのが最初。

それを認識して少しして、わかった。

…自分は、負けたのだと。

「大丈夫か、立てるアルか?」

鬼龍が顔を覗き込む。

彼女の声が、頭の中で響いて聞こえる。

最後の技を食らったショックで、五感が鈍っているらしい。

時間を置けば、回復するだろう。

鬼龍が少し避けて。

「平気か?」

一味のリーダーが、顔を見せた。

酷い顏だ。

血塗れ、傷だらけ。

しかし、いい顔をしている。

己がついて行くに相応しい、頭領の面構え。

この男について行くのならば、命すら預けられる。

何せ、己より強い男なのだから。

「平気だとも」

彼は、差し伸べられたリーダーの手を摑んだ。

「俺の負けだ、シオン」

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