天神学園の問題児再来

戦い済んで後日談

夕城邸。

ここの敷居を跨ぐのは何ヶ月ぶりだろうか。

真太郎は、背筋を伸ばして正座したまま、父を待つ。

…自らここを訪れたのは、どういう心境の変化か。

惜しくもタイマントーナメント優勝を逃した彼に、夕城流跡継ぎ返り咲きの機会はなくなった。

これからは、只の剣客として生きねばならない。

上にも下にも何も付かない、只の『真太郎』だ。

なのに、何故ここに来た。

見苦しく、懇願する気なのか。

そう思うと、己が情けなかった。

…ややあって。

無言のまま、羅刹が部屋に入って来る。

襖を開け、ズカズカと歩き、座布団に胡坐をかく。

母・鬼龍の出す茶を手に、無造作にズズ、と啜り。

「何用だ、どこの馬とも知れぬ小僧が」

瑠璃は真太郎を他人扱いした。

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