天神学園の問題児再来
城に上がると、酷かった。

鴉天狗やら河童やら狸やら雪女やら。

ここは百鬼夜行の巣窟か。

彼らはタイマントーナメントでの龍鷺郎の活躍を祝して、宴を開いていた。

「何が祝してだ。準決勝敗退だろう」

「そんな硬い事言わなくていいじゃんそこそこいいとこ行ったんでしょ準決勝だったら天神学園で3番目か4番目くらいに強いって事でしょ大体強いって事でいいんじゃない龍太郎先輩なんてビリだった事もあるんだよ最終的には1番強くなったけど勉強じゃ最後までビリだったよアハハハハウケるぅ龍鷺郎君お菓子食べる?」

…龍鷺郎は、喧しいので遊里は嫌いです。

「ささ龍鷺郎様、一献」

カムイが酒を注ぎに来る。

「ぴゃあぁぁあっ、カムイの馬鹿!龍鷺郎様はまだ酒は飲めない歳だぞ!」

そんなカムイを止める豆助。

そんな2人を。

「気が利かないな」

斑鳩が両方止める。

キョトンとする2人を割って入ってきたのは。

「り、龍鷺郎、これを食べるのじゃ!」

料理の器を手にやって来た紗雪だった。

「…腹は減ってねぇ」

「そ、そうか…」

シュンとなる紗雪。

それを。

「兄貴は後でゆっくり食うんだってさ紗雪!な、受け取るよな兄貴!」

慣れないウインクなどして、必死に龍鷺郎に伝える斑鳩。

この間、人間の雑誌を見て覚えた『あいこんたくと』という奴だ。

「…まあ何れは腹が減るからな」

器を受け取る龍鷺郎。

その瞬間に手が触れた事で。

「ひゃあっ!」

嬉し恥ずかし器を引っ繰り返す紗雪。

飛んでいったアツアツの料理の器は、頭領・鷹雅の頭の皿の上にワンオンし。

「あとぅうぅぅうぅうぅぅうぅうぅいっ!」

伝説のリアクションが、ここに復活した。


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