天神学園の問題児再来
「残念でしたね、龍馬君」

柾家。

縁側で並んで茶を飲みながら、鳳仙花と龍馬が語らう。

「龍太刀があって、鳳仙花さんにあれだけ鍛えてもらって…それでも勝てなんだがじゃ。真太郎は強い。認めるしかないがじゃ」

そう言う龍馬の顔に、愁いはなかった。

寧ろ、真太郎がそうあってくれて嬉しいと。

自身の見立て通りの阿修羅であった事が、誇らしく思えた。

見ろ、わしの見込んだ通りの男じゃったぜよ。

そう言いたげだ。

結果として、柾一刀流の夕城流超えは果たせなかった訳だが。

「なぁに、どうという事はないですよ」

笑う鳳仙花。

「興して数年の流派が、歴史ある夕城流にここまで迫れただけでも大したものです。いい弟子を迎え入れる事が出来ましたよ」

「ちゃちゃちゃ、照れるきに…」

龍馬は頭を掻く。

< 857 / 1,120 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop