天神学園の問題児再来
龍鷺郎の見立て通り、女子生徒は夕城めのうと龍之介の次女、さくらの妹だった。

名は夕城 ほむら(ゆうしろ ほむら)。

新作の刀・燈に龍の炎を纏わせた龍之介独自の流派の刀技を扱う。

龍之介とさくらに、腕試しと称して半ば強引に追い出され、夕城邸と学園に転がり込んだ。

そして紅葉は琴月流宗主・琴月 孔雀と奏多の息子で、琴月 琥珀の歳の離れた弟。

しなやかで柔軟、流れるような太刀筋で、殺人剣の琴月、夕城、そして音無流と、多くの流派の技を操るのが特徴。

共にその目的は。

「空白となった夕城流次期宗主の座」

紅葉が眼鏡を指先で押し上げながら言う。

「何が空白だ!夕城流次期宗主は真太郎だろ!」

シオンが食って掛かるも。

「ま、まだ決定とは聞いてないけどっ…はわっ、ごめんなさいっ」

言うだけ言って、紅葉の背中に隠れるほむら。

そんなほむらを、鬱陶しそうにベリッと引っぺがして放り投げ。

「まぁ、今朝は挨拶代わりだ…僕の腕なら、いつでも真太郎の首など取れる」

ほむらさえ置き去りにし、紅葉は踵を返す。

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