天神学園の問題児再来
「ん?」

地平線の向こうから、何かが物凄い勢いで駆けてくるのを、ほむらが見つけた。

二足歩行のようではあるが、その速度はとても人間のものとは思えない。

まるで早馬のような速さで駆け寄ってきたそれは。

「何だぁ?お前」

半虎半人の姿をした人外だった。

虎人(こじん)。

インドから中国にかけてのアジア一帯に生息する獣人である。

「こんな辺鄙な土地で、人間と人外の匂いが一緒に漂ってくるから、何事かと思って来てみりゃあ…」

ほむらを見下ろす虎人。

「お前は何だ?人外と人間の、両方の匂いがするぞ?どっちか分からねぇな、お前」

「は、はわわわわ…」

初めて見る、妖怪然とした姿の人外。

怖いもの知らずのほむらも、これには流石にたじろぐ。

「まぁいいや」

虎人はベロリと舌なめずりした。

「他にも美味そうな娘っ子もいる事だし、ここは頂いちまうとするか」

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