天神学園の問題児再来
目玉をひん剥いた瞬間。

「!?」

虎人の巨体は、グルン!と一回転して、うつ伏せに地面に叩きつけられた。

龍鷺郎のアッパーカットが顎に直撃し、その威力で体が宙を舞ったのだ。

白目を剥き、舌をだらしなく垂らして気絶する虎人。

しばらくすれば目を覚ますだろう。

「何じゃ…臥龍殿の故郷の妖怪というからどれ程のものかと思ったが…これなら真太郎先輩やシオン先輩の方が遥かに強いのぅ…」

同じ妖怪として情けないと、紗雪が呆れたように見下ろす。

そうやって気を失った虎人に。

「……」

無言のまま抜刀した紅葉が、黄昏の切っ先を突き立てようとして。

「『天神学園では命のやり取りを禁ず』」

真太郎が狂奏丸で黄昏を受け太刀した。

「覚えておけ。絶対の掟の1つだ」

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