天神学園の問題児再来
「おいお前」

倒れた虎人の脇腹を蹴る睚眦。

「こんなとこで何寝てる」

「うぅ…」

無理矢理に覚醒させられた虎人は、ぼんやりとした意識で睚眦を見た。

「何寝てんだって言ってんだ。妖怪の癖にみっともねぇな」

「…っ…睚眦か…面目ねぇ…俺とした事が、人間にやられちまってな…」

身を起こす虎人。

人間にやられただと?

全くもって面目丸潰れ、妖怪の恥だ。

そう思って見ていた睚眦は。

「ん…?」

虎人に残る、微かな匂いに気付く。

「おいお前…その匂いのする人間ども、どこへいった?」

< 895 / 1,120 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop