天神学園の問題児再来
とある沼地。

「何だと?」

巨大な亀に酷似した姿の贔屓(びし)は、睚眦の言葉に目を丸くした。

「臥龍が日本で設けた子が、大陸に来ている?」

贔屓も竜生九子の1つ、その話は聞き流す訳にはいかない。

「臥龍の子孫は俺達竜生九子だけだったってのに。臥龍め、いつの間に…」

「しかもだ」

睚眦は言う。

「その臥龍の子、日本の別の妖怪との間に生まれ、人間達を伴ってこの大陸に来ている」

「なっ!」

驚く贔屓。

純粋な臥龍の血に混ざりものを加えた上に、人間どもとつるんでいるだと?

臥龍の子孫である事を誇りとし、自分達が人間より他の妖怪より遥かに優れた特別な存在だと考えている彼らは、それが気に入らなかった。

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