天神学園の問題児再来
人間などより遥かに肉体的に優れる人外。

それでも、半日も歩き続ければ疲労は溜まる。

紗雪、そして紗雪を庇いながら歩くほむらにも、疲れの色が見え始めた。

荒野の真ん中ではあるが。

「少し休息をとる」

ほむらと紗雪の風除けになるように立ち止まり、龍鷺郎が言う。

「なるべく身を低くしてろ。風くらいは凌げる」

「り、龍鷺郎はどうするのじゃ、それでは体が休まるまい…」

「無駄に体格がいい訳じゃない。それ相応に体力もある」

そう言って、紗雪とほむらを体の陰にする龍鷺郎。

嘘ではない。

まだ体力に余裕はある。

2人を庇って立っているくらい、何の問題もなかった。

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