天神学園の問題児再来

人外大戦争

腕の傷からは、出血が止まっていない。

龍鷺郎は、腕の筋肉の収縮のみで、何とか出血多量は防いでいる。

「日本の風の妖怪である鎌鼬(かまいたち)を『窮奇』と漢字表記して読ませる事がある」

窮奇が言う。

「これは我が風神と見なされていた事に由来する」

「…俺の腕が切り刻まれたのは、そのせいか」

刃物でも、こうも見事に斬れはしまい。

窮奇の斬撃の鋭さを物語る。

あの斬撃は要注意…と思いかけて。

「ぐぅうぅぅぅぅっ!」

檮杌の豪打が、龍鷺郎のガードの上から叩く!

片腕だけで防げるものではない。

反射的に傷ついた腕をも使い、防御する龍鷺郎。

出血は更に酷くなる。

「窮奇だけに構うとはつれないな…この檮杌とも遊んでくれ」

狂気の笑みを浮かべ、嬉々として龍鷺郎を攻め立てる檮杌。

「げひゃひゃひゃひゃひゃ!」

彼が甚振られる様子を見ながら、渾沌は楽しげに笑った。

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