天神学園の問題児再来
「あれは吸血鬼…という奴だな。人間の血を啜って生きる、チンケな人外だ」

饕餮が呟く。

ヴラドの事を、取るに足りないと言いたげな口調。

事実、神である彼らにとっては、ヴラドでさえも取るに足りない存在なのだろう。

吸血鬼の頂点、ヴラドでさえも。

「さて」

既にボロ屑と化した龍鷺郎への興味をなくし、檮杌が、渾沌が、窮奇が、饕餮が向き直る。

その視線の先には、ほむらと紗雪。

もう心が折れ、戦意すら喪失してしまった2人だった。

だがそのような事は関係ない。

目に映る者は片端から食らい、片端から殺す。

それが四凶、中原の四方に流された四柱の悪神。

この世の全ての悪を具現化したような存在だった。

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