天神学園の問題児再来
「知ってるさぁ」

腰に手を当て、何故か自慢げに龍乃は言う。

「翡翠おじさんは、昔この天神学園で教師してたんだよ。『閻魔』の渾名で、アタイの父ちゃんや母ちゃん、瑠璃先生が学生の時まで恐れられて有名だったんだよっ」

「…初耳だな」

祖父が剣豪にして豪傑であったとは、父親から何度も聞かされてはいるが。

「アタイの父ちゃん、よく言ってたよ。あんな強い人は見た事ねぇって。瑠璃や鬼龍も強ぇ事は強ぇが、全盛期の旦那とガチで勝負したら、よくて五分五分、勝つ事はまずねぇってさっ」

父や母が、勝てないだと?

父は夕城流宗主だぞ?

何を根拠にそんな事を…。

「待て。何の権限があってそんな話をする。そこまで偉そうに抜かす、貴様の父親とは何者だ」

「あー、アタイの父ちゃん?」

龍乃はニパッと笑った。

「丹下 龍太郎だよ。スペシャルバカで有名な」

< 95 / 1,120 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop