天神学園の問題児再来
紗雪との会話の後、亜鳥は龍鷺郎に歩み寄る。

厳しい態度だった父とは違い、龍鷺郎の傷を手当てしてやる優しい母。

「紗雪、斑鳩も元気にしてるかしら?」

「はい、鴉丸の城で元気にしております。それから…禿鷲も…」

「禿鷲…」

その名を聞いた途端に、亜鳥の表情が僅かに曇る。

「聞いておる。タイマントーナメントに参加したそうだの」

腕組みしたまま、臥龍は遠くを見つめながら言った。

「はい、龍鷺郎と対戦し、龍鷺郎の勝利でした」

嬉々として応える紗雪に対し。

「よく勝ったの、龍鷺郎が」

臥龍の返答は意外なものだった。

「わざと負けたのかもしれんの、あ奴」

「…………え……」

紗雪は、思わず息を飲む。

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