天神学園の問題児再来
決着がつき、真太郎は紅葉のもとに歩み寄る。

「大丈夫か」

「さ…触るな…」

ヨロヨロと立ち上がる紅葉。

「加減はしておいたが、浅い傷でもあるまい。何だったら花龍の精霊術で傷を…」

「触るなと言っている!」

声を張り上げ、背を向ける紅葉。

「勝者の憐れみか!琴月も継げず、夕城次期宗主の座も奪えず、何1つ手に入らなかった僕に対する同情か!」

声を荒げる紅葉だったが。

「お前が何を失った?」

真太郎は言う。

「お前は運がいい。この天神学園に来た以上、得るものはあっても、お前が失うものは何もない」

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