天神学園の問題児再来
その笑みも。

「……」

振り向いた時には、憐れみの表情に変わっていた。

「琴月 紅葉。お前ほどの天稟の持ち主が、そんな噂話1つに惑わされて、この千載一遇の機を逃すのか。俺は二度は誘いの手は差し伸べんぞ。天神学園というぬるま湯の中から脱し、天神地区どころか、この世の中を導く指導者の器に収まる好機だというのに」

「随分とぶち上げるじゃないか。お前ら人外風情に、そんな覇業が務まるとでも?人外に出来るのは、せいぜい水面下を暗躍しての征服程度じゃないか?」

「人外だの人間だのという括りこそ、了見の狭い小者の思想…お前はそんなチンケな存在か?」

「…っ…」

自尊心を擽った次は、持ち上げて落とす。


そうやって紅葉を揺さぶり、揺り動かす。

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