恋する5秒前~無愛想なキミと~
それより、時間!
「桜井君、急ごう!授業が始まるよ」
教室の時計を指差して桜井君に教えると
「あぁ、そうか。次は美術だっけ」
「うん。そうだよ」
「行くぞ、水野。走れるか?」
「うん、多分」
美術室は隣の棟にある。
私達は慌てて教室を飛び出した。
やっぱり、左足が痛いな。
走る度にズキズキと痛みが走る。
骨が折れてたら走れないから、転んだ拍子に捻挫しちゃったのかなぁ?
先を行く桜井君の後を追いながらそんなことを考えていた。