恋する5秒前~無愛想なキミと~
翌日。
朝から真夏の陽射しが燦々と降り注ぎ、気温が高くなりそうな予感がする。
「翔、早く着替えなさいよ」
「未来はトイレに行ったの?」
バタバタと身支度をしているとインターホンが鳴った。
「香奈ちゃんだ!」
どこから出てきたのか未来が私の横をすり抜けて玄関へと走り出す。
「香奈ちゃん?」
未来が玄関のドアを開けると
「おはようございます!あら、未来元気だった?」
ジーンズにTシャツ姿の香奈がトートバッグを肩から提げて顔を出してきた。
ラフな格好でも、私服姿の香奈は年齢よりも大人っぽく見える。
「香奈ちゃん、おはよう!」
「久しぶりだね、未来。ちょっと見ない間に大きくなったんじゃない?」
そう言いながら未来を抱っこする。華奢なように見えて、実は力持ちの香奈。
私より子供の扱いがホントに上手だよねぇ。そう思いながら二人のことを眺めていた。
「未来ね、大地君と付き合ってるんだ」
「それって、か、彼氏?」
香奈は口をパクパクしながら、目を丸くしながら驚いてる。
やっぱり、そうなるよね。
私だって、初めて未来から聞いたときはびっくりしたもの。