恋する5秒前~無愛想なキミと~
桜井君から未来を引き剥がすと、彼女の視線に合わせるようにその場に座った私。
「勝手に居なくなっちゃ、ダメじゃない!探したんだからねっ!」
「水野、落ち着け」
「でも」
「いいから、落ち着けって」
桜井君にたしなめられて冷静さを取り戻す。
「なぁ、未来。なんで居なくなったんだ?」
優しく理由を訪ねる桜井君。
「未来ね、お兄ちゃんを見つけたから探してたの」
居なくなった理由を話す未来。
「そうか、俺のことを探してくれてたのか」
「うん」
理由を聞いて未来の頭を撫でる桜井君。
すると、未来が突然
「ねぇお兄ちゃん。お手紙の返事はまだ?」
一瞬戸惑った様子の桜井君は私のことをチラッと伺ってから未来の視線に合わせて座り込んだ。
「返事はちゃんと書くからもう少しだけ待っててくれるか?」
「うん、約束だよ。ねぇ、お兄ちゃん。未来のお家にはいつ遊びに来てくれるの?」
「未来、桜井君を困らせちゃダメだよ」
「水野、お前は黙ってろ」
「はい、すみません」
桜井君はそう言って私をギロリと睨んだ。
桜井君に怒られちゃったよ。