恋する5秒前~無愛想なキミと~

便利な物が家にあって良かった!


ひとつひとつ野菜をみじん切りにしていたら、ご飯を食べられるのは何時になるのやら。


そこへ挽肉、調味料とスープを少しずつ入れて更に撹拌する。


それならフードプロセッサーを使えば餃子を餡なんてあっという間に出来ちゃうかも。


餃子の餡が柔らかくなってきたらスイッチを止めて、餡をボウルに
あける。


テーブルに餃子の材料一式を並べてから


「準備できたから、餃子の皮を包むの手伝って!」


テレビの前で騒いでいた香奈達に声を掛ける。


「姉ちゃん、今日は餃子なんだ」


「うん、今日は餃子だよ、翔も皮を包むの手伝って!さあ、手を洗ってきて」


「はーい」


餃子も大好物の翔は返事をするとシンクの蛇口から水を出して手を洗い始めた。


「未来も餃子の皮を包みたい!」


真似っこの未来も翔の後を付いて
手を洗う。


「じゃあ、作りますか」


4人でテーブルを囲みワイワイ話しながら餡を餃子の皮で包んでいく。


こういう作業をしていると、ふと桜井君が遊びに来た時のことを思い出す。


そう言えばあの時は桜井君にまんまと乗せられてご飯を作る羽目になったんだよね。


ほんの2、3ヶ月前のことなのに未だに鮮明に覚えてるなんて。


こんな時まで桜井君の事を思い出すなんて、私ったらどこまで未練がましいんだろう?

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