恋する５秒前～無愛想なキミと～

◇花火大会

香奈に誘われて図書館へ行ってから１週間が過ぎた。


早いもので夏休みも残り２０日ほどとなった。


自分の部屋で本を読んでいるときに、突然香奈から電話が掛かってきた。


「花火大会？」


「そう、毎年お盆の頃に隣町の花火大会があるでしょ？」


「うん。この辺では大きな花火大会だよね」


「うん。この前、クラスの真央ちゃんに町で偶然会ってね、花火大会のことを言ったらクラスの子達を誘って見に行こうよって話になってさぁ、環も一緒に行けたらいいなと思って電話したの」


「そうなんだ。で、その花火大会はいつなの？」


「確か、15日だったかな」


15日かぁ。


カレンダーを見るとその日は里美ちゃんは仕事が休みになっていた。


この日は翔と未来の面倒を見なくてもいい日だ！


この日なら心置きなく香奈達と一緒に花火大会へ行くことができるよ。


「その日ならＯＫだよ。未来達の面倒も見なくていいから、一緒に花火大会見に行くよ」


「ほんと？それなら環も出席と……また近くなったら待ち合わせ場所とか連絡するからさ」


「了解です」


花火大会、楽しみだなぁ。


あっ！そうそう、せっかく花火大会に行くんだから、あれを着て行こうかな？


どこへ仕舞ってあったかな？


電話を切ると、私は押し入れにある衣装ケースの中を探し始めた。