恋する5秒前~無愛想なキミと~

「だから、間に合えば俺も合流するから。そのことは小森にも伝えてある」


「うん、分かった。もし、間に合うようだったら連絡してね」


「了解」


あっさりと会話は終了して、私はスマホをベッドの上に放り投げた。


瀬戸君も花火大会は一応参加するのか。


でも……おかしいよね?


香奈は瀬戸君を誘ったことを一言も言ってなかったよね、どうしてなのかな?


次から次へと疑問が湧いてくるから、頭の中がパニックを起こしそう。


あぁ、もうっ!


頭の中が混乱してきちゃった!


こんなときはウジウジ考えずに、おやつでも作って気分転換しよう!


私は階下へ降りてキッチンへ入ると、何を作ろうかと冷蔵庫の中をチェックし始めた。


時は過ぎて1週間後。


花火大会当日。


朝からよく晴れた青空が広がって気持ちがいい。


今日の花火大会は綺麗に観られるかも。


朝から浴衣を出してソワソワと気分が落ち着かないでいた。


リビングでソファに座りテレビを見ていると、里美ちゃんが慌ただしく入ってきた。


そして、私の顔を見るなり彼女は口を開いた。


「環、ごめんね。急に仕事が入っちゃって午後から行かなきゃいけないの。だから、未来達の面倒をお願いしたいんだけど……いいかな?」


「えっ!仕事?」


急に言われてしまい呆然とする私。

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