恋する5秒前~無愛想なキミと~
「未来と翔を連れて行きたいって?」
電話を掛けると直ぐに香奈が出てくれて訳を話したんだ。
「ごめんね。里美ちゃんが急に仕事が入っちゃって私が面倒を見なきゃいけなくなっちゃって、邪魔にならないように気をつけるから連れてってもいいかな?」
香奈一人なら直ぐにOKが出そうだけど、他の子が一緒だと厳しいかな?
もし、ダメなら3人で花火大会を見に行けばいいんだし。
半分諦めモードでいたら
「大丈夫だよ。翔達を連れて来なよ。私達の他にも何人か来るから皆で面倒を見ればいいじゃない」
「本当に大丈夫なの?」
「平気よ、今日集まるメンバーで文句を言うようなヤツはいないから。てか、文句を言ったらソイツを追い出すから、いいの」
強気な発言をする香奈。
「そんな事を言って大丈夫?後でトラブっても知らないよ?」
「大丈夫だって、環は心配しないで翔達を連れて来なよ」
「うん、ありがとう。香奈」
「それじゃあ、また後でね」
「また、後でね」
いい返事をもらえてひと安心。
けれど、のんびりもしていられないんだ。花火大会へ行く準備をやり直さなくちゃ!
もたもたしてたら待ち合わせの時間に遅れちゃうよ。
私は時計をチラチラと見ながら出掛ける準備を始めたんだ。