恋する5秒前~無愛想なキミと~
「香奈!お待たせ」
待ち合わせ場所の駅前広場に着いた私達。
香奈の事が大好きな未来は
「香奈ちゃーん!」
「わあっ、未来!」
香奈の姿を見つけると、彼女に飛びついた。
「久しぶり、未来。良い子にしてた?」
香奈にぎゅっと抱き締められて嬉しそうな顔をしている未来。
「うん、未来ねぇ。タマちゃんのお手伝いをいっぱいしたんだよぉ」
「そう、なんのお手伝いをしたの?」
「うーんとねぇ、お皿テーブルに並べたり、洗濯物を一緒にたたんだりしたの」
「へぇ、未来はエライねぇ。もう、すっかりお姉さんだね」
香奈に誉めてもらえて嬉しそうな顔をしてする未来。
迷ったけれど、この子達を連れて来て良かったな。
「今日は何人くらい来るの?」
クラスのほぼ全員に連絡を取ったって聞いていたけれど、実際に集まるのはどれくらいなのかな?
桜井君はきっと来ないよね。
樹里さんと一緒に花火大会を見に行くんだろうな。
淡い期待を抱くのは止めておこう。
香奈から返ってきた答えは
「今日はねぇ、15人くらいかな?ん、先に行ってる人も含めると、もうちょっと増えるかも」
「15人!そんなに来るの?」
びっくりして思わず声を上げた私。