恋する5秒前~無愛想なキミと~
「偶然、そこで会って、水野と一緒に捜してたんだよ」
「そっか。あっ!水野さん、弟さんたちは小森さんと一緒にいるから早く行ってあげなよ」
「ありがとう、河野君」
河野君に言われて急いで行くと
「翔!未来!」
香奈と楽しそうに話をしている2人に声をかけた。
「タマちゃんっ!」
「姉ちゃん、ごめんなさいっ!」
私の声を聞いた2人が駆け寄ってきた。
「もうっ!どこへ行ってたのっ?勝手にいなくなって!どれだけ皆に迷惑を掛けたと思ってるのっ?本当に心配したんだからねっ!」
2人の顔を見て安心したのも束の間、沸々と怒りがこみ上げてきて思いきり怒鳴ってしまった。
「ごめんなさい」
シュンとする翔と未来。
「まあ、まあ怒るのはそれくらいにして、環」
「だって、香奈」
「未来達にも理由があるんだから、2人の話を聞いてあげてよ、ねっ?」
香奈に諭された私は
「ねぇ、どうしてなにも言わずに屋台のところへ行ったりしたの?」
確か、2人はオモチャ売場の前にいたんだよね。