恋する5秒前~無愛想なキミと~
「あのね、未来……タマちゃんに光る腕輪をプレゼントしてあげたかったの」
「私にプレゼント?」
「うん、だってタマちゃん、今日は浴衣を着なかったでしょ?悲しそうなお顔をしてたから、元気を出して欲しかったの」
未来の手には蛍光色に光る腕輪が
2つ、光を放っていた。
眩しいくらいに光を放つ腕輪を未来の手から受け取ると
「私の為に……ごめんね、未来。怒鳴ったりして」
「ううん、いいの。タマちゃん、元気出して」
「ありがとう、未来」
未来の体をギュッと抱き締めた。
私が元気がないことを心配してくれていたんだ。
まだ4歳の小さな子供に気を使わせるなんて……私ってば何を考えていたんだろう。
自分勝手なのは私の方だ。
「俺さ、未来を追いかけてたから、姉ちゃんの姿を見失ったんだ。直ぐに姉ちゃんに教えれば良かったんだよね、ごめんなさい」
翔は未来を一人にしないように一緒にいてくれてたんだ。
「ありがとう、翔。一緒にいてくれて良かったよ」
翔の頭をそっと撫でた。