恋する5秒前~無愛想なキミと~
「なぁ、足。かなり痛むのか?」
再び歩き始めた私達。
桜井君はまだ気になるのか足の様子を聞いてきた。
「うん。まだ足は痛むけど、湿布を貼ってくれたから少しは楽になったよ」
「そっか」
一言呟いて黙り込む桜井君。
どうしたのかな?
お互いに口を利かないまましばらく歩いて行くと、郵便局が見えてきて私は立ち止まった。
「あの、桜井君。待って!」
「なんだよ?」
「これから私、ちょっと寄ってくところがあるから、今日はここでいいから」
「……は?寄ってくとこって、どこだよ?」
私の話が通じないのか不機嫌そうな顔をする桜井君。
しょうがないなぁ。
「……じゃあ、桜井君。一緒に来てくれる?」
もう、あんな顔をされたら恐くて説明なんかできないよ。
「あぁ、いいけど」
桜井君は返事をしながら自分の髪をクシャクシャっとかきあげた。