恋する5秒前~無愛想なキミと~
「桜井のヤツすげぇな、逆転優勝だぁ!」
「桜井君、すごーい!」
「桜井君、かっこよすぎる」
「桜井君、よくあそこでシュートを打ったよね?」
「よく、逆転できたよねぇ。奇跡のシュートだよねぇ」
桜井君の好感度は益々上昇しているみたいで、クラスの女子はキャアキャア言いながら騒いでいた。
「環、やったね!私のクラス、優勝したじゃん」
「うん、優勝できて良かったよね」
コートの中では桜井君と瀬戸君が何やら話をしていた。
どうしたのかな?
2人の間で何かあったのかな?
心配しながら二人の成り行きを見守っていると
あっ!
後ろを振り向いた桜井君と目が合ったんだ。
フッと微笑む桜井君。
桜井君はどうして私の事を見て笑ったのかな?
「表彰式はグラウンドでやるんだって、行こうよ、環」
「あ、うん。行こうか」
不意に香奈に肩を叩かれ現実に戻った私は頷いた。