恋する5秒前~無愛想なキミと~
決心してから1週間後。
週末の金曜日。
今日は里美ちゃんの仕事がお休み
で、未来達のお迎えに行かなくていい日なんだ。
今、私がいるのは学校から10分程歩いた所にある小さな公園。
時刻は夕方の4時を過ぎた頃。
私はベンチに座って瀬戸君が来るのを待っていた。
「ごめんね、水野さん。待たせちゃったね」
瀬戸君は走ってきたのか、額に汗をにじませていた。
「ううん、こっちこそ部活の練習で忙しいのに呼び出したりして、ごめんね」
「いや、俺は水野さんの方が大事だから、部活の練習なんてどうでもいいし」
そう言って照れ笑いをする瀬戸君。
優しく笑う彼は、本当に王子様みたいに格好いいな。
って、見とれている場合じゃないよね。
今日は瀬戸君に大事な話をしなければいけないんだから。
「それで、水野さん。話ってなに?」
瀬戸君から言われて、私の胸がドクンと大きく鳴った。
ちゃんと上手く話せるかな?
一気に緊張感が高まった。